1トリガー3スキャンシステムのご紹介

2017.4.24

 

1トリガー3スキャンシステムは、トリガー入力に応じて高速で点灯・消灯する

高速パルス照明を使用したラインスキャンシステムです。

照明の高速切替により、1台のカメラで異なる照明効果を持った画像を複数取得できるため、

検査ステージの省スペース化、コスト抑制につながります。また、複数画像を用いた合成処理も容易であり、

画像処理の幅が広がります。

 

光源にR(赤)、G(緑)、B(青)を用いれば、モノクロのラインスキャンカメラでカラー画像を取得することができます。

このシステムは、シーシーエス株式会社、竹中システム機器株式会社、株式会社アバールデータ、レボックス株式会社が、

それぞれの得意分野を活かして共同で開発したものです。

■概要・事例


画像入力ボードからトリガーが入力されると、カメラは、設定した露光時間分のスキャンを3回実施します。

高速パルス照明もトリガーに同期して順次発光します。

この結果、3つの照明効果を持った画像がほぼ同じタイミングで取得できます。


 

 

例えば、同軸照明・透過照明・ローアングル反射照明の3種類の照明効果の画像を取得したい場合、

従来は、3台のカメラを使用して3つのステージを構築し、それぞれ撮像を行う必要がありました。

しかし本システムでは、高速パルス照明に内蔵した3光源にライトガイドを接続して3つの照明構成を設け、

カメラの1スキャンごとに切替点灯させ、1台のカメラで同様の効果を得ることができます。

例えば、加工された金属板に対して上記のような照明構成を行うと、下記のような画像を取得することができます。 

 

 

また、取得した複数の画像を用いた合成処理にも、容易に応用可能です。

本システムは3つの画像取得をほぼ同一タイミングで行うことができるため、

画像の座標のズレを最小限にして画像を取得できます。このため、複数の画像を合成した処理を実行しやすくなり、

検出が難しい低コントラスト欠陥などを強調して、検出精度の向上につなげることが可能です。

 

下の事例は、塗装金属板上のヘコミを、照射方向の異なる2台のローアングル照明で切替えて撮像したものです。

異なる方向からの照射で、ヘコミ部分で発生した明暗は逆転した状態です。

この2枚の画像を差分処理することで、コントラストを大きくすることが可能となります。 

 

 

 

また、光源の発光色をR(赤)、G(緑)、B(青)とすることで、カラー画像の取得も可能です。

 

この方式は、他のカラー撮像方式とは異なる

以下のようなメリットがあります。

・ベイヤー方式に見られるような画素補間時の

 偽色が発生しない

・専用レンズが不要で、4K/8KモデルはFマウント、

 16KモデルはM72マウントのレンズを使用できる。

・カメラを傾けた状態での撮像や、

 円筒形(湾曲状態)のワークの撮像でも色ズレがほぼ無い


高速パルス照明のRGB各色の発光時間および調光値を個別に調整可能ですので、
特定の色を強調・抑制することができます。
品種や検査項目に応じて、各色ごとに最適な明るさを得ることができます。

 


■機器構成

 

ラインスキャンカメラ、画像入力ボード、高速パルス照明は専用設計であり、

高速なトリガータイミングの制御やI/Oインターフェースをユーザー側で設計する必要が無く、

サンプルビューワソフトも付属するため、導入が極めて容易です。

 

画像入力ボードに付属するSDKを使用することで、

サードパーティの画像処理ライブラリを用いた画像処理システムを構築することも可能です。

 


■画像テストのご依頼

 

本システムのテスト用設備は、京都本社、名古屋営業所、東京営業所の国内3拠点と韓国テスティングルームに配備しております。

マシンビジョン用照明メーカーとして培ったライティング技術をベースに、個別の案件に最適な照明構成も含めて提案いたします。

実際のサンプルを用いての効果の検証にぜひ利用ください。

 


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